Ubuntuで802.11nを動かす(3)WindowsXPで動かしてみる

USBメモリ上のUbuntuで動くようになったところで、ついでにHDDにインストールされているWindowsXPでも動くようにすることにしました。

#USBメモリで動かすからといって、遅い以外は作業は何も変わらないんですけどね。

添付されている説明によると、CD-ROMのインストーラに沿って作業するだけ・・・のはずです。

アダプタを接続する前にCD-ROMのインストーラを起動して、指示にしたがえ、とのことなので、そのようにしました。

・・・・・・

しかし、最後に「ドライバをインストールできませんでした」と表示してそれっきり・・・。

・・・・・・

結局、PLANEXのホームページから最新版のドライバをダウンロードしてインストールしたら動くようになりました。添付CDROMの意味無いじゃん・・・。

USBメモリへのLinuxインストールの落とし穴

先にPuppyLinuxをUSBメモリにインストールする方法を書きましたが、超小型のMicroSDカードリーダ用に余ったMicroSDで1つ仕立てようとしたらうまく行きません。作ったものが「Boot Error」と表示されるばかりで起動できません。

なぜかと3時間くらい試行錯誤してしまったのですが、なんどか試しているうちに突然ひらめきました。パーティションを生成する際に、bootflagをセットするのはあちこちで指摘があるのですが、LBAに関してはあまり記載がありません。しかし、普通のMicroSDはすでに1GB以上のものも当たり前になっていて、パーティションを切るならLBAモードでなければなりません。

GPartedは特に指摘してくれるでもないので、何も考えずにパーティションテーブルの生成とパーティションの生成をすると、LBAのflagがセットされていません。この状態で作業を進めると当然アクセスできないはずなのですが、実際にエラーになるのは起動するときだったりします。しかも、メッセージも単純なので悩んでしまうことになります。

というわけで、生成したパーティションがLBAモードかどうかはよくチェックしましょう、という日記でした。

★元ネタの部分にも追記しました

Ubuntuで802.11nを動かす(2)無事に動いた!

≪前回のUbuntuでPlanexのGW-US300MinSを動かす件の続きです≫

で、気を取り直して、ドライバのコンパイルにかかります。

Ralink社のホームページからソフトウェアのダウンロードページに移動します。

名前とメールアドレスを記入すると、ダウンロードがスタートします。(が、異常に時間がかかります。600kB程度で10分くらいかかりました。台湾との線が細いんですかね??)

今回ダウンロードしたのは、「2010_0709_RT2870_Linux_STA_v2.4.0.1.tar.bz2」というファイルで、これを適当なディレクトリに展開しました。

さっそくreadmeを見ると、”MODE = STA”にセットしろ、と書いてありますが、先頭の行は”RT28xx_MODE = STA”だったりします。サーチすると、RT28xx_MODEを使っているところがあるので、そっちが正しいのでしょう(つまり、多分readme.txtがいい加減)。

次に、os/linux/config.mk を修正します。

HAS_WPA_SUPPLICANT=y
HAS_NATIVE_WPA_SUPPLICANT_SUPPORT=y

これらの行はもともと”n”なので、”y”に変更します。

次に、common/rtusb_dev_id.cにデバイスIDを追加します。

{USB_DEVICE(0x2019,0xAB24)}, /* Planex GW-US300MiniS */

という感じです。

$ sudo make
(中略)
$ sudo make install
make -C /home/usb/rt2870/2010_0709_RT2870_Linux_STA_v2.4.0.1/os/linux -f Makefile.6 install
make[1]: ディレクトリ `/home/usb/rt2870/2010_0709_RT2870_Linux_STA_v2.4.0.1/os/linux’ に入ります
rm -rf /etc/Wireless/RT2870STA
mkdir /etc/Wireless/RT2870STA
cp /home/usb/rt2870/2010_0709_RT2870_Linux_STA_v2.4.0.1/RT2870STA.dat /etc/Wireless/RT2870STA/.
install -d /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/net/wireless/
install -m 644 -c rt2870sta.ko /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/net/wireless/
/sbin/depmod -a 2.6.32-28-generic
make[1]: ディレクトリ `/home/usb/rt2870/2010_0709_RT2870_Linux_STA_v2.4.0.1/os/linux’ から出ます
$

完了後、

$ cd os/linux
$ sudo insmod rt2870sta.ko

した後、 『新しい無線ネットワークを作成』で、WPA-PSKの設定をしてやると認識でき、IPアドレスの取得まではできました。

$ modinfo
filename:       /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/staging/rt2870/rt2870sta.ko

ということで、読み込まれているのは、stagingの下のファイルのようです。で、rt2870sta.koを検索してタイムスタンプを見ると、

$ ls -la /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/net/wireless/rt2870sta.ko
-rw-r–r– 1 root root 688693 2011-02-13 03:04 /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/net/wireless/rt2870sta.ko
$ ls -la /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/staging/rt2870/rt2870sta.ko
-rw-r–r– 1 root root 576072 2011-01-11 10:19 /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/staging/rt2870/rt2870sta.ko

となっており、インストールしたものではないようです。ですので、

$ sudo make uninstall

として、一旦アンインストールした後、makefileを

ifeq ($(PLATFORM),PC)
# Linux 2.6
LINUX_SRC = /lib/modules/$(shell uname -r)/build
# Linux 2.4 Change to your local setting
#LINUX_SRC = /usr/src/linux-2.4
##LINUX_SRC_MODULE = /lib/modules/$(shell uname -r)/kernel/drivers/net/wireless/
LINUX_SRC_MODULE = /lib/modules/$(shell uname -r)/kernel/drivers/staging/rt2870/
CROSS_COMPILE =
endif

と修正しました。(青字がコメントアウトした元の行、赤字が修正後の行です)
改めて、

$ sudo make install

としてインストールすると、

$ ls -la /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/staging/rt2870/rt2870sta.ko
-rw-r–r– 1 root root 688693 2011-02-13 03:32 /lib/modules/2.6.32-28-generic/kernel/drivers/staging/rt2870/rt2870sta.ko
$

となり、タイムスタンプが反映され、以下のようにモジュールとして認識されるようになりました。

$ modinfo rt2870sta | grep 2019
alias:          usb:v2019pAB24d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
alias:          usb:v2019pED06d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
$

しかし、ifconfigなどで見るとIPアドレスが取れるようになったのですが、外部への接続はまだうまくいきません。なぜか、クラスAのプライベートアドレスを取得しています。(本来はプロバイダから配布されるクラスBのプライベートアドレスのはずなのですが・・・)

が、ネットワークアイコンから再度アクセスポイントを選択したら、なぜか快調につながるようになりました。・・・が、再起動するとNG。

読み込まれているドライバをみると、やはりrt2800usbが読み込まれているようです。ですので、/etc/modprobe.d/blacklist.confに、

# Planex USB Wifi
blacklist rt2800usb
blacklist rt2x00usb
blacklist rt2x00lib

と書き足して再起動しましたが、やはりクラスAのプライベートアドレスを取りに行ってしまいます。

ここで設定をよくみると、adhocモードになっていましたので、一旦無線の設定を消して改めて利用可能なアクセスポイント(AP)を選択して設定し直したら再起動しても安定して動作するようになりました。

・・・というわけで、Ubuntu10.04でPlanexの1000円USB無線LANアダプタ GW-US300MinSが使えるようになりました。802.11nがLinuxで1000円で使えるなんていい時代になったものです。

Ubuntuで802.11nを動かす(1)うまく動かない・・・

外部(といってもクラスBのプライベートアドレスですが・・・)と接続する環境ができたところで、1台のPCを外部向けに使用することにしました。

スペックは、
CPU:Atom330(DualCoreのAtomです)
メモリ:1GB(初期のAtomマザーなので仕方ない・・・)
外部記憶:HDDは160GB(WindowsXPインストール済み)、USBメモリ8GB(Ubuntu10.04)
といった感じです。

このPCに無線LANアダプタを追加します。あきばお~で1000円で売っていたGW-US300MiniSという802.11n(300Mbps対応)のUSB無線LANアダプタです。

Googleさんに聞いてみると、ドライバをコンパイルしてやらなければならないとかいろいろあるようなのですが、とりあえず無線LANアダプタを挿してlsusbしてみます。すると、

~$ lsusb
Bus 005 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 004 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 003 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 001 Device 003: ID 2019:ab24 PLANEX
Bus 001 Device 002: ID 090c:6200 Feiya Technology Corp.
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
~$

という感じで、デバイス自体は認識しているようです。次に、dmesgして最後の部分を見ると、

[   27.629045] eth4: no IPv6 routers present
[ 2030.498246] lo: Disabled Privacy Extensions
[ 2062.932026] usb 1-6: new high speed USB device using ehci_hcd and address 3
[ 2063.080180] usb 1-6: configuration #1 chosen from 1 choice
[ 2063.142880] cfg80211: Calling CRDA to update world regulatory domain
[ 2063.154160] cfg80211: World regulatory domain updated:
[ 2063.154169] (start_freq – end_freq @ bandwidth), (max_antenna_gain, max_eirp)
[ 2063.154177] (2402000 KHz – 2472000 KHz @ 40000 KHz), (300 mBi, 2000 mBm)
[ 2063.154183] (2457000 KHz – 2482000 KHz @ 20000 KHz), (300 mBi, 2000 mBm)
[ 2063.154190] (2474000 KHz – 2494000 KHz @ 20000 KHz), (300 mBi, 2000 mBm)
[ 2063.154196] (5170000 KHz – 5250000 KHz @ 40000 KHz), (300 mBi, 2000 mBm)
[ 2063.154203] (5735000 KHz – 5835000 KHz @ 40000 KHz), (300 mBi, 2000 mBm)
[ 2063.277850] phy0: Selected rate control algorithm ‘minstrel’
[ 2063.279622] Registered led device: rt2800usb-phy0::radio
[ 2063.279699] Registered led device: rt2800usb-phy0::assoc
[ 2063.279763] Registered led device: rt2800usb-phy0::quality
[ 2063.280280] usbcore: registered new interface driver rt2800usb
[ 2063.335154] udev: renamed network interface wlan0 to wlan2
[ 2063.343298] rt2800usb 1-6:1.0: firmware: requesting rt2870.bin
[ 2063.622999] ADDRCONF(NETDEV_UP): wlan2: link is not ready

ということで、なんか認識してるっぽいです。

「システム」→「システム管理」→「ネットワークツール」でみると、なんと認識しています。

「システム」→「設定」→「ネットワーク接続」と進んでみますが、何か変です。普通はAP一覧などがみえると思うのですが、そんな感じではありません。

で、Googleさんに聞いてみると、Ubuntu日本語フォーラムでまったく同じ議論がされているようで、正しいドライバはrt2870staなのに、rt2800usbがロードされてしまう、という問題のようです。

~$ lsusb
Bus 005 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 004 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 003 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 001 Device 004: ID 2019:ab24 PLANEX
Bus 001 Device 002: ID 090c:6200 Feiya Technology Corp.
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub
~$ modinfo rt2800usb | grep 2019
alias:          usb:v2019pAB25d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
alias:          usb:v2019pAB24d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
alias:          usb:v2019pED06d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
~$ modinfo rt2870sta | grep 2019
alias:          usb:v2019pAB25d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
alias:          usb:v2019pED14d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
alias:          usb:v2019pED06d*dc*dsc*dp*ic*isc*ip*
~$

ということで、rta2870staの方にはv2019pAB24がないので、うまくロードされないようです。

自宅のネットワーク環境更新

IPv6をいじってみることはWindowsでもLinuxでもToredoサービスを使えばできそうなことはわかりました。

具体的にIPv6対応(いじり)を考えた場合、いろんな心配が出てきます。例えば、

  • IPv6では基本的にプライベートアドレスは存在しない(みたいだ)。従来は、ある意味NATルータで外部からのIPアドレス指定攻撃を回避できていたのだが、IPv6では従来のNAT内のPCも外部に見えてしまう。
  • WindowsはKaspersky Internet Securityを入れてあるが、これがIPv6でどこまで対応しているのかわからない(調べればわかるのかもしれないけど)
  • Linuxに関しては、KlamAVしか入れてない(これまではローカルセグメントの下だったので)。UbuntuではGufwというiptablesベースのfirewallが使えるようだ。

などなど、考えるともっとでてくるでしょう。

ここで出てくるもっともシンプルな対策は、

慣れるまで侵入されても深刻な影響がないようにしておく

ということで、実験用のPCは別セグメントに置くことにして、以下の様にすることにしました。

上位のネットワークからはクラスBのプライベートアドレスが振られていますので、すでにNATがかかっています。しかし、この上位のルータの処理はよくわからない(加入者間は分離されていると思うけど、どこにも書いていない)ので、通常使うネットワークは従来通りさらにもう1段ルータを置いた下に置いています。したがって、2段のNATがかかった構成になっています。こちらは万が一の設定ミスなどによるセキュリティ事故を考え、全て有線での接続にしています。

一方で、自宅は壁の中にカテゴリー5eのLANケーブルが配電盤のところから各部屋に通っています。その壁の中のケーブルは通常使うネットワークを優先したい、ということで、実験用のネットワークは従来から無線にしていました。従来は無線ルータでしたので、同様に2段のNATがかかっていましたが、今回はこれを無線アクセスポイントに変更し、ついでに802.11bから設備の更新をすることにしました。実験用のPCは無線APの下にいるAtomPCです。これにUSB無線アダプタを追加します。

で、購入したのが、PLANEXのMZK-W300NH2です。802.11nの無線ルータですが、設定変更でルータ機能の無いアクセスポイントにもなります。一世代前のモデルのようですが、あきばお~で2780円でした。(ちなみに、ジャンク扱いで付属品がACアダプタのみの状態で1000円でも売ってましたが、ジャンクというと動かないジャンクもあるので今回はきちんとした箱に入った状態で購入しました)

早速、設定するとあっさりAndroidからつながるようになりました。しかも、電波も結構強力です。

☆誤って下書きのままになっていたのを公開しました・・・

IPv6に向けて何ができるか?

今年(2011年)の2月3日にIANAの管理するIPv4のクラスAアドレスが残り5個となり、その残り5個を地域インターネットレジストリに割り振った、というニュースが出ました。簡単に言うと、IPv4のアドレス枯渇が目前に来ましたよ、ということです。

IPv4のアドレスが足りなくなるという話は石油の枯渇と同じく1990年代始め頃から聞いていて、その頃はIPngという名称で現在のIPv6プロトコルの検討が行われている、ということを当時のUNIX USERかUNIX MAGAZINEで読んだように記憶しています。その後、NAT(IPマスカレード)の一般化などでどんどんIPアドレス枯渇は先延ばしになり、忘れかけていたところに今回のニュースが飛び込んできました。

というわけで、忘れかけていたところに急に現実味を帯びてきたIPv4アドレスの枯渇とIPv6への本格移行ですが、今なにができるのか調べてみました。(というより、これから使わなければならない新しいものを使ってみておきたい、というだけなのですが。)

ずいぶん昔には、v6 over v4 とか、そんな名前でIPv6パケットをIPv4パケットで包んで送る、というようなこともやられていたようですが、どうやらそれも終わっているようです。じゃあ、プロバイダからのサービスを受けなければIPv6を使ってみることができないのか、と諦めかけていたところ、一つのキーワード「Toredo」が浮かんできました。

☆ちなみにISPのIPv6対応がどうなっているのかはこちらを参照。自分は自力でプロバイダ契約をしているのではなく、マンション丸ごとでプロバイダ契約しているので自力ではプロバイダを選べません・・・。

早速「Toredoサービス」で検索をしてみると、

ということで、とりあえずWindowsでもLinuxでも試してみることはできそうです。

PICライター

部屋を整理していたところ古いPICライターが出てきたので、紹介します。

見ての通り、エレキジャック誌No.2に付属していたPICライターです。Writer509というタイプとJDMライターというフリー(?)のライターのどちらにでもなる、という基板だったと思います。PICは「もっとも多いアプリケーションはPICライターである」とか揶揄されることがあるくらいフリーのライターがたくさんあります。

しかし、これを組み立てた直後に microchip Direct でキャンペーンかなにかをやっていたのを見かけてPICKit2 Debug Expressを購入してしまいました。そのため、実際に書き込みに使う機会はありませんでした。

秋葉原戦利品

今日は仕事帰りに秋葉原に寄ってきました。

狙いは、MicroUSBケーブル

です。Pocket Wifi S はこれがないと充電できないのですが、持ち歩くのも面倒なので1本余分に調達した次第です。

その際にみかけたものなのですが、思わぬ掘り出し物がありました。

マイクロSDカードリーダーです。しかも、先日紹介したBUFFALOの超小型マイクロSDカードリーダーとそっくりです。というか、そのまんまです。おそらく金型もそのまま使っちゃってるでしょう。(この程度のサイズの金型は大した値段ではないと思いますが。)

BUFFALOのものは750円くらいしますので、それが280円なら超お買い得です。このタイプのリーダーはノートPCに挿したまま忘れられるくらい小さいのでUSBからLinuxを起動して使いたい向きにはぴったりです。思わず二つも買ってしまいました。

USBメモリにインストールしたOSの使い道

これまでUbuntuやPuppyなどのLinuxをUSBメモリにインストールする過程をメモにしてきました。ここで、LinuxのライブCD(LiveCD)のメリット、USBメモリにOSをインストールする際のメリット、デメリットを整理しておきたいと思います。

LinuxのライブCDとは

Linuxはもともとは(ブートローダの復旧、リカバリ用途、ルータ機能などの特定の機能に特化してフロッピーディスクドライブから起動するものを除き)Windowsと同様にHDDにインストールして使用するものでした。そのために自分も5インチベイにカートリッジ化したHDDを取り付けるためのトレイ(現在で言うとこんなもの)を取り付けてリムーバブルHDD化し、WindowsとLinuxでHDDを入れ替えながら使っていたものです。(パーティションを切って、複数OSを起動させることもできたけど、めんどくさかった・・・)

その後、PCのBIOSがCD-ROMからの起動をサポートするようになり、OSのインストーラだけではなく、OSそのものもそこから起動できるようになりました。それによって、OSのインストール前にどんなものなのか試してみることができるようになりました。その代表的なものがドイツ生まれのKNOPPIXで、日本では産業総合技術研究所が日本語化したものの配布を行っていました。

一方で、世の中には様々な用途を想定した様々なLinuxのディストリビューションが存在します。一例を挙げると、OSのインストール前確認用から、起動しなくなったPCからのデータ吸い上げ、論理的に破損したHDDからの(可能な範囲での)データ吸い上げ、非力なPC用のLinux環境、教育用などなど、星の数ほどといっていいくらいのディストリビューションが存在します。これらを日本語化して配布されていたのがライブCDの部屋で、かつては自分もいろんなものをダウンロードして試してみたものです。

その後、メジャーなディストリビューションもインストーラを兼用したライブCD化が行われるようになりました。

USBメモリ起動のLinux

更に後になって、USB2.0が普及し、USBメモリやUSB接続のCDROM/HDD/ZIPなどが普及しだすと、CDROMとFDDを皮切りにUSBから起動できるBIOSが登場するようになり、すぐにUSBメモリ(USBマスストレージクラス)も対応可能なものがでてきました。初期の頃は「あのPCではOKだけどこのPCはだめ」とか「このUSBメモリはOKだけどあのUSBメモリはダメ」とかいろいろあったようですが、最近ではほぼ収束したようで、必要なブートローダもほぼ固まったようです。それに伴い、各ディストリビューションでもUSBメモリ(USBフラッシュメモリ)へのインストールが可能になってきています。

USBメモリ起動のLinuxのデメリット

  1. USBメモリの読み書き(特に書込み)自体が遅いので、PC本体の内蔵HDDに比べるとOS自体の動作が遅い。アプリケーションも大量の書込みを伴うものだと遅くなってしまう。
  2. USBメモリが大容量化しているといっても手頃な値段のものは8GB程度までなので、インストールできるアプリケーションや使い方には制約がある。
  3. ライブCDに比べるとCD-R/DVD-Rは1枚数十円程度なので高くつく。

USBメモリ起動のLinuxのメリット

  1. USB起動が可能なPCなら、ハードディスク(HDD)にインストールすることなく利用できる。USBメモリを抜けば、元のPCとして使用可能である。
  2. LinuxはライブCDという形でCD起動することができるが、ライブCDの場合は読込み専用で書込みができない。できても追記という形を取ったり、別のメディアを必要とする。USBメモリならHDDへのインストールと(速度を除いて)おなじ条件での書込みができる。つまり、HDDにインストールする場合と同じ使い方ができる。
  3. CD/DVDは光学式ディスクメディアの宿命でシークタイムが非常に遅く、ランダムアクセスに極めて弱い。USBメモリは半導体メモリなので、シークタイムが存在せず、ランダムアクセスしてもあまり遅くならない。(厳密にはNAND型フラッシュメモリのバーストリードが使えなくなるので連続読み出しよりもランダム読み出しの方が遅くなると思うが、光学式ディスクメディアに比べると無視していいくらいの影響しかない)
  4. CD/DVDに比べると圧倒的に小さい。USBメモリよりも更に遅くなってしまうが、BUFFALOの超小型のMicroSDカードリーダーとMicroSDカードの組み合わせにすれば、CD/DVDドライブのないノートPC(ネットブック)に挿したままの運用ができるので本体のHDDと変わらない運用ができる。

どのディストリビューションを使うか?

ディストリビューションも様々なものがありますが、自分はUbuntu(とPuppyLinux)を使っています。Ubuntuはデスクトップとして非常にまとまっていることと、日本語版でも表示が非常にきれいで読みやすいことが理由です。Puppyは昔CDでごく限られたケースで使っていましたが、表示の綺麗さにひかれてUbuntuをAtomCPUのPCのHDDにインストールしたもの(Ubuntu専用PC)に移ってしまいました。ですので、USBメモリへインストールする際のデフォルトもUbuntuになっています。しかし、最新のものでは表示も綺麗になっていますので、用途によってはPuppyに戻ることも考えたいと思います。

どういうところでUSB起動化したものを使うのか?

ライブCDにしてもUSB起動化Linuxにしても、HDDの環境に影響を与えない、というところが最大のメリットです。いくらきちんとウイルス対策(というかセキュリティ対策ソフト)を入れていても、やはり不安は残ります。

自宅外で使用する場合で、Webの閲覧が目的の場合には極力USBメモリ起動化したLinux(Ubuntu)を使い、どうしても必要なデータはDropBoxで共有化、メールはGmailで読み書き、ブラウザのブックマークなどはChromeブラウザの共有化機能で対応しています。

更に不安な環境では、専用のUSBメモリを準備して、ユーザー名も通常と異なるものとし、ブックマークの共有化やDropBoxなどは使用しません。パスワードが必要なWebサービスにも通常使用するものにはアクセスしないようにしています。具体的には、海外(特に中国)のホテルや空港などで使用する場合は極力こちらにしています。こちらの用途の場合には、ライトプロテクトスイッチが付いたUSBメモリが手持ちに1本あるので、こちらとPuppyLinuxの組み合わせの方が向いているかもしれません。

    日本語化したPuppyLinux5.2をリマスタしてみた

    PuppyLinuxにはそれ自身にライブCDを作るリマスタ機能があります。「セットアップ」→「Remaster Puppy Live-CD」を選択するとウィザードが起動します。

    ISOファイルの生成場所を指定すると、元のライブCD(これは本当にCDを要求する)を要求してくるので、セットします。

    しばらく待つと、/tmp/root の中身、/etc の中身を変更するか確認するウィザードが出ますが、今回は何も触らないことにしました。また少しすると、syslinux.cfgの内容確認が出るので、エディタでpkeys=jp106をオプションとして追加しました。

    すると間もなく書込み準備ができたことを知らせるメッセージがでますので、空のCDをセットして、適当に(=メッセージにしたがって)操作するとCDへの書込みが始まります。

    CDへの書込みが完了すると、「書込み後のCDとsaveファイルが矛盾するかもしれないよ」というメッセージがでて、その対処法がいくつか提示されますが、自分は別のPC(vmware)で動かすつもりですので特に何もせず、完了しました。

    ・・・で、vmware上で起動してみたところ、無事に起動したのですが、残念ながら日本語化とかは失われていました。もう少し仕組み等を勉強しないといけないようです。