昔HPのMicroServerを購入して長くFreeNASで運用してきました。途中、単身赴任していた時期に単身赴任先にも設置していた関係でMicroServerは2台導入していて、1台をマスターとしてZFSで3TB HDD×2台のミラー構成、もう1台をスレーブとして、ZFSでお古の2TB HDD×4台でRAID10相当の構成で運用して、rsyncでマスターからスレーブに同期してバックアップという運用をしてきました。(何重にバックアップとってんだw)
で、起動に使用しているUSBメモリが死んでしまったのか、このスレーブ側がまともに立ち上がらなくなってしまったので、これを気にSTAY HOMEな2020年ゴールデンウィークに再整備して、こちらをマスター側に、それが完了したら、元のマスター側をスレーブ側にすることにします。
メモリは8GBとはいえ、さすがにCPUが古いので、今回は負荷がかかると言われるFreeNASではなく、OpenMediaVaultで構築することにしました。
HDDは4TB×2台、本来ならNAS用を入れたいところですが、どうせ24/365運用ではなく週末しか起動していないので、安価に済ませるためにWDとSeagateの安い4TBを2台調達しました。(どうせしつこいくらいバックアップとってるわけですから)
1.Debianのインストール
OpenMediaVaultはDebian上にインストールしますので、まずDebianを入れます。
まずは、古い2TBのHDDを4本とも撤去し、溜まったホコリを掃除しました。その後、システムドライブとして、ほとんど使っていないまま放置していたWD Black 500GBを取り付けました。まだ、4TB×2は取り付けていません。
まずは、amd64用のnetinst.isoをこちらからダウンロードしてきて、Linux上のディスクイメージライタでUSBメモリに書き込みます。
書き込んだUSBメモリを取り付けて電源ONすると、確かインストーラの選択画面が出ます。とにかく最小限でインストールせよ、というのがOpenMediaVaultのドキュメントに記載があるので、TUIのインストーラでインストールを行いました。
(1)言語の選択で日本語を選択
(2)場所の選択で日本を選択
(3)キーボードの設定で日本語を選択
(4)ホスト名で「server1」を設定
(5)ドメイン名を適当に設定
(6)rootのパスワードを設定
(7)ユーザを作成(本名、アカウント名、パスワードを入力)
(8)パーティショニングの設定
ディスク全体を使用して、以下の通り分割。ガイドだとルートパーティションが30GBになったので、これを倍のサイズにしました。スワップはガイドの通り。
領域1 基本 60 GB ext4 /
領域5 論理 8.6 GB スワップ
領域6 論理 431.5 GB ext4 /home
以上を設定するとベースシステムのインストールが行われます。
(9)アーカイブミラーの選択
自分は ftp.riken.jp を設定しました。
(10)プロキシの設定
(11)インストールするソフトウェアパッケージの選択
デスクトップ環境とプリンタサーバを外して、SSHサーバと標準システムユーティリティを選択して次へ進みます。
(12)GRUBブートローダのインストール
でインストール完了。USBメモリを抜いて次へ進む
2.OpenMediaVaultのインストール
こちらの指示に従ってインストールします。
まず、コンソールからログインして、 ip addr コマンドでIPアドレスを確認、別のPCから作成したアカウントを使ってSSHでリモートログインします。su コマンドでルートになってから以下の作業をします。
apt-get install --yes gnupg wget -O "/etc/apt/trusted.gpg.d/openmediavault-archive-keyring.asc" https://packages.openmediavault.org/public/archive.key apt-key add "/etc/apt/trusted.gpg.d/openmediavault-archive-keyring.asc"
リポジトリを追加します
cat <<EOF >> /etc/apt/sources.list.d/openmediavault.list deb https://packages.openmediavault.org/public usul main # deb https://downloads.sourceforge.net/project/openmediavault/packages usul main ## Uncomment the following line to add software from the proposed repository. # deb https://packages.openmediavault.org/public usul-proposed main # deb https://downloads.sourceforge.net/project/openmediavault/packages usul-proposed main ## This software is not part of OpenMediaVault, but is offered by third-party ## developers as a service to OpenMediaVault users. # deb https://packages.openmediavault.org/public usul partner # deb https://downloads.sourceforge.net/project/openmediavault/packages usul partner EOF
インストールします
export LANG=C.UTF-8 export DEBIAN_FRONTEND=noninteractive export APT_LISTCHANGES_FRONTEND=none wget -O "/etc/apt/trusted.gpg.d/openmediavault-archive-keyring.asc" https://packages.openmediavault.org/public/archive.key apt-key add "/etc/apt/trusted.gpg.d/openmediavault-archive-keyring.asc" apt-get update apt-get --yes --auto-remove --show-upgraded \ --allow-downgrades --allow-change-held-packages \ --no-install-recommends \ --option Dpkg::Options::="--force-confdef" \ --option DPkg::Options::="--force-confold" \ install openmediavault-keyring openmediavault omv-confdbadm populate
3.ログイン
しばらくするとインストールが完了します。途中で avahi もインストールされるので、ブラウザで http://server1.local にアクセスすると、OpenMediaVaultのログイン画面に到達できます。
デフォルトのパスワードはこちらに書いてありますが、ユーザー名 admin、パスワード openmediavault です。最初に管理者パスワードを設定する必要があります。また、ネットワークの設定もやりおなします。どうも、再起動か何かのタイミングで無効に設定されるようです。(無効になるタイミングがよくわかりません)
また、OpenMediaVaultをインストールすると以下の変更がされていますので、適宜設定が必要です。
- root での ssh ログインが許可されています
- ホスト名がopenmediavaultに変更されています
インストールは無事に完了したので、一旦シャットダウンして、4TBのディスク2台を取り付けて、再度起動します。
起動したら、ディスクを認識していることを確認したら、SMARTの設定をスタンバイに設定変更して、RAIDデバイス作成を行います。
今回はミラーで設定します。対象ディスク2台を選択して適用するとしばらく時間がかかります。RAID管理で状態を見ると、resyncingが少しづつ増えていって、6時間強かかることがわかります。