炉心に海水を注入した福島第一原子力発電所は予想した通り、廃炉にする方向のようです。しかし今回の地震と津波を引き金とした原子力発電所の事故の影響は大きく、点検中の浜岡原子力発電所3号機の点検後の再開や建設中の原子力発電所の見直しがニュースになっています(asahi.comの記事)。
今回事故を起こした福島第一原子力発電所のは1970年代に営業運転を始めた古い原子力発電所ですので、そう遠くないうちに運転終了、という時期だったのではないかと思います。そのような時期の被災ということで不幸としかいいようがありません。
今回の地震と津波で頻繁に対比される浜岡原子力発電所の方は、緊急事態に対する備えも強化されているようです。福島第一原子力発電所で津波によって被害を受けて事故のそもそもの原因になった非常用発電機も頑丈な原子炉建屋内にあるそうです。(asahi.comの記事)
新しい発電所ほど想定されるリスクも増えている(=対策もされている)ので、古い発電所は早めに更新する方がよいのでしょうが、原子力発電所の立地は非常に難しく、なかなか進まない(特に今後しばらくは難しい)でしょう。新しい発電所が完成して、供給体制が整わなければ古い発電所も止められないので、リスクは高いまま残る。そんな状態がしばらく続いてしまうのでしょうね。
日本は残念ながら化石燃料には恵まれていないし、面積のわりに人口も多い。現実解としてどうにかして原子力発電とは付き合っていくしかないと思うのですが・・。
原子力発電は地方への立地が多く、地方への押し付けだという意見もありますが、一方で見返りとして、インフラ整備や補助金、雇用の形などがあったのも事実です。(そのために、一度補助金を受けた地域が継続的に補助金が欲しくなるので原発銀座ができる、という話も聞きました)
目に見えない形でも、その地域の農産物の消費地が都市であったり、インフラが整ったことによりその地域への工場などの進出が増えて、地方への外注・下請けなどの形で都市と地方の経済が回っていたりします。
原子力以外のすべてのことも含めて、どこかで折り合いを付けていかなければならないのだと思います。。