1月に #新春商用電源監視月間 というTwitterのタグにそそのかされて作ってみた、電源周波数の監視ハードウェアですが、この後インターネットからブラウザで見えるようにしていました。(本当は、epoch.jsでリアルタイムデータをカッコよく見せたかったのですが、力不足で強引にリロードを繰り返すクソ実装ですw)
しかし、これだけではどんなときに大きく変動するのか見ているのは難しい。ということで、2号機では変動大きめの際にブザーが鳴るようにしていました。
それから1ヶ月ほど経った2月13日の夜のこと、突如高いブザー音が鳴り続けます。通常、±0.2Hzを超えるような変動が長時間続くことはありませんので、鳴っても数秒くらいです。もっと低い±0.1Hzくらいの振れ幅だと1分くらい続くことはあるのですが、この時は高い音がずーっと鳴り続けていました。
ブラウザで周波数変動を見てみると、49.8Hzどころか、もっと大きく周波数が落ちていきます。
何事かと考えているうちに、ゆらゆらと揺れ始めて遠方で規模の大きな地震が発生したことがわかりました。しかし、このタイミングで周波数が戻り始めます。
なにがなんだかわからない状態でしたが、とりあえずTweetしてみました(^^;
揺れが収まったところで、何が起きたのか気になりました。そこで、強振モニタとの比較をしてみます。
すると、電源周波数が落ち始めるのは地震発生直後ということがわかりました。最初はこの周波数変動は地震によって需要家の電力消費が減ったからかと思ったのですが、その場合には発電機の負荷が減って回転数が上昇するので、周波数が上がる方向のはずです。しかし、周波数は下がる方向なので、負荷が増える方向です。そしてもう一つわからなかったのが、48.5Hzまで下がった後、周波数が急回復していることです。
その後、宮城県と福島県の火力発電所が停止していること、東日本の広い地域で停電していることがわかりました。
また、北海道胆振東部地震による北海道全域の大規模ブラックアウトを受けて、電源周波数が大きく変動した場合には負荷を切り離すUFR(Under Frequency Relay)というものがあることがわかりました。48.5HzはそのUFRが動作する周波数だったとのこと。
これらの情報を総合して、以下のような推測を立てました。
ということで、残念ながら(というか当然のことながら)地震発生前に起きた現象ではなく、地震による電力網の変動が地震波よりも先に伝わってくる、ということだったものと思われます。
それにしても、こんな現象が見えるとは・・・(^^;;;
おお、これはすごく面白いですね!
技術と発想力のある人は尊敬します