先日買ったSanDiskの高速なUSB3.0メモリにLinuxMint13 + オリジナルカスタムカーネルをインストールしてみたところ非常に速くて驚きました。第一印象は「え、もう起動してるの?」という感じです。
そこで、他にもUSB3.0のUSBメモリがあったのでLinuxMint13をインストールして見たところ非常に遅く、???な感じになってしまいました。
そこで、手持ちのUSBメモリの速度比較をやってみました。
方法は、ディスクユーティリティのベンチマークによるものです。インストール済みの環境を壊したくないので、ベンチマークは読み込みのみです。その他の共通条件は以下の通りです。
ベンチマーク取得機(ホスト)
・マシン: ThinkPad Edge 130
・メモリ: 8GB
・HDD: Crucial m4 128GB(mSATA)
・OS: LinuxMint13 MATE Edition 32bit
・USBポート: 左側面奥側のUSB3.0ポート
1.SanDisk製SDCZ80-032G-X46(USB3.0対応品)
今回購入したUSBメモリです。16GB/32GB/64GBの3種類があって、32GB品を3000円くらいで購入しました。
容量によって書き込み速度が異なるのですが、32GB品では書込み最大110MB/s/読出し最大190MB/sと記載されています。
流石です。読出しはカタログスペックを上回る210MB/sフラット、平均アクセスタイムも0.4msと高速です。
ちなみに、625MBのISOイメージをシステムのSSDからコピーした際の所要時間は約5秒(=125MB/s)でした。他のUSBメモリと比較するとわかりますが、速度が落ちることなく一気に書込みが終わるので体感的には超高速です。
2.KingMax製ED-01 32GB(USB3.0対応品)
だいぶ前にPC DEPOのワゴンセールで売られていたものなのですが、どこかに埋もれて行方不明になっていたのを最近発掘したものです。ホームページ上の記載では書込み最大47MB/s/読出し最大69MB/s、最大容量128GBと記載されています。残念ながらパッケージは処分してしまっているので32GB品の正確なスペックはわかりません。
ベンチマークをみると読み込み速度は70MB/sフラット、平均アクセスタイムも0.6msでまあまあ優秀な数字に見えます。カタログスペックもなんとか満たしています。
しかしながら、こいつにUSB2.0経由でLinuxMint13をインストールした際にはとんでもなく時間がかかりました。また、USB2.0経由で大きなファイルをコピーしてきた際には1MB/sくらいしかでていませんでした。ただ、FATではなくext4なので、その影響の可能性はあるかもしれません。とにかく(少なくとも)ext4ではとんでもなく遅いです。
試しに、625MBのISOイメージをシステムのSSDからコピーした際の所要時間は約85秒(=7.4MB/s)でした。コピー開始当初はプログレスバーが景気良く伸びていくのですが、5分の1を過ぎたあたりからどんどん停滞し始めてイライラさせられます。転送速度の平均値もどんどん落ちていくことになるのですが、何か書込みキャッシュに溜まった状態になっているような感じです。やはりext4とは相性の悪いなにかがあるのでしょうか??
3.KingMax製PD-09 32GB(USB3.0対応品)
最近、ノジマ電気のワゴンセールで見かけて買ってきた物です。ホームページ上の記載では32GBが最大容量のようです。書込み7-11MB/s/読出し50-66MB/sと記載されています。
ext4での体感速度はED-01よりも多少速いように思いますが、ランダムアクセスはやはり遅い感じです。
また、このUSBメモリは(少なくともLinuxでは)認識がうまくいかないことが少なくありません。HUBやPCとの相性なのかなんなのかわかりませんが、使い勝手が悪いです。
こちらも同じ傾向でベンチマークをみると読み込み速度は80MB/sフラット、平均アクセスタイムも0.9msで優秀な数字に見えます。でも、Linux環境では(ext4では?)遅いです。
625MBのISOイメージをシステムのSSDからコピーした際の所要時間は約65秒(=9.6MB/s)でした。こちらもコピー開始当初はプログレスバーが景気良く伸びていくものの5分の1を過ぎたあたりから停滞し始める傾向は同じですが、ED-01ほどは停滞しませんでした。
4.SanDisk Cruser Fit 16GB(USB2.0対応品)
非常に小さなUSBメモリです。ノートPCに取り付けたままでも邪魔にならないので、LinuxをインストールしてやるとまるでHDDにLinuxが入っているかような感覚でノートPCを使うことができます。もちろん、HDDに比べると少し遅いですが、PCにインストールすることなく、使い勝手も制限がほとんどないのでおすすめです。
BIOSでSATAを禁止できる機種なら設定変更しておくことで誤操作や万が一の不正なソフトウェアとの遭遇でも内蔵HDDを消してしまう心配もありませんし、BIOSで禁止できない機種(ノートの場合は大部分がこっちでしょう)でも、SATAドライバを外したカーネルを使うことで誤操作での消去の心配はなくなります。
なお、このUSBメモリには一応ストラップホールがついていますが、穴が小さくて通るストラップを探すことができませんでした・・・。
読み込み速度は20MB/s前後、平均アクセスタイムは1.3ms程度でした。
625MBのISOイメージをシステムのSSDからコピーした際の所要時間は約153秒(=4.1MB/s)でした。こちらもコピー開始当初はプログレスバーが景気良く伸びていくものの5分の1を過ぎたあたりから停滞し始める傾向は同じです。
ED-01に比べるとスペック上も実測値も明らかに劣ることになるのですが、Linuxをインストールした際の感触としてはこちらの方が上のように感じます。理由がはっきりしないところはありますが。
5.KingMax製PI-01 16GB(USB2.0対応品)
これも非常に小さなUSBメモリです。最近買ってきたばかりでまだ開封していなかったものです。
完全に18~19MB/sあたりでフラットです。平均アクセス時間はばらつきはあるものの0.8ms程度でした。
6.SiliconPower社製の小型16GB(USB2.0)
これも小型のUSBメモリです。ストラップチェーンが付いていて頑丈そうなので、外観的にはお気に入りなのですが、このUSBメモリは凄く発熱します。発熱しすぎて心配になるので、Linuxは入れてみたりしないで普通のUSBメモリとして使っています。
性能としては特に変わった感じはしないですね・・・。
7.ダイソーのMicroSDカードリーダー
ダイソーで売っている100円のMicroSDカードリーダーにKingMaxの8GBクラス6のMicroSDカードをセットしたものです。
意外に性能は出ていますね・・。
8.番外編
LinuxのシステムドライブのCrucial m4のmSATA 128GB SSDです。550MB/sくらい出ています。
Windows7が入っているCrucial m4のSATA 128GB SSDです。こちらも同じくらい出ていますね。
USB3.0接続の外付け2.5インチHDDです。
HDDなので内周ほど速度が落ちているのが見えています。それでも外付けHDDでこれだけ出ていればいろいろ使い道がありそうです。このHDDにもLinuxを入れてみましたが、内蔵HDDと大きな違いは感じられません。(ということは、SSDの恩恵はあまりないか・・?)
まとめ
結局、Linuxをインストールして使うことを考えるなら(考えなくても?)USBメモリは
- SanDiskのSDCZ80はちょっぴり高いけど激速なのでお勧め
- 大きさを気にするなら SanDisk Cruser Fit
ということですかね。