ちょっと脱線してOpenMediaVaultのドキュメントを見ていると、Armbian Busterの場合には、armbian-configからインストールができるようなことが書いてあるので試してみました。
今回のターゲットはArmbian Busterをインストールしたまま放置していたPine64(1GB)です。ここにUSB接続で先程取り外した2TB HDDのうちの1台を取り付けました。
1.USB-HDDにパーティションを作成
今回は50GBをルートパーティション、4GBをスワップ、残りをデータ領域にすることにしました。
Device Boot Start End Sectors Size Id Type /dev/sda1 2048 104859647 104857600 50G 83 Linux /dev/sda2 104859648 113248255 8388608 4G 82 Linux swap / Solaris /dev/sda3 113248256 3907029167 3793780912 1.8T 83 Linux
sda3は
$ sudo mke2fs -t ext4 /dev/sda3
でフォーマットしておきます。
2.ルートファイルシステムをUSB-HDDに移動
$ sudo armbian-config
でarmbian-configを起動、systemメニューを選択して「Install」を選択して「1 Boot from SD – system on SATA, USB or NVMe」でUSB-HDDに /dev/sda1 にシステムを移動します。
移動が完了すると、再起動を勧められるので、再起動します。
3.OpenMediaVaultをインストール
$ sudo armbian-config
でarmbian-configを起動、softwareメニューを選択、Softy を選択して 3rd party のソフトウェアをインストールします。
ソフトウェアの一覧の中に「OMV」があるので、これにチェックマークをつけて、インストールします。(かなり時間がかかります)
4.OpenMediaVaultにログイン
完了したらブラウザでOpenMediaVaultにログインします。avahiが動いているので、http://(ホスト名).local でアクセスできます。ユーザー名は admin 、パスワードは openmediavault です。ログインしたら、以下の作業を行います。
(1)パスワードの変更とネットワーク設定を行います。ネットワークは設定前に再起動すると無効に設定されてしまうようなので、コンソールからしか直せなくなります。
(2)「ストレージ」→「ファイルシステム」で、/dev/sda3 をマウントして共有できるようにします。
(3)「アクセス権の管理」→「共有フォルダ」で、/dev/sda3 の下に共有領域を作ります。このときに適当にその領域の共有名を付けます。
(4)「アクセス権の管理」→「ユーザ」で、Windowsファイル共有のユーザーを登録します。
(5)「サービス」→「SMB/CIFS」で、まず「一般設定」でワークグループ名を設定して機能を有効化、ワークグループ名を適当に付けます。その後、「共有」で「+追加」をクリックして、共有されるフォルダを登録します。共有フォルダは先程作った共有名で指定します。
これで、Linux上からはWindowsファイル共有として見えるようになりました。後ほど、Windowsから実際に見えるか試してみたいと思います。
まとめ
ほぼ同じ手順で、NanoPi NEO2 NASキットもOpenMediaVault化できると思います。FriendlyElecで配布しているNASキットのイメージ(OpenMediaVaultのイメージ)では、ルートファイルシステムをMicroSDに取っているからか、あるいは、ベースとなっているArmbianに何か問題があるのかわかりませんが、長期間運用するとMicroSD上のシステムが破損するという傾向がありました。(過去2年で3回)
そのため、3台あるNASキットのうちの1台はHDDにルートファイルシステムをインストールして、手作業でSambaの設定を行って運用してきました。他の2台はFreeNASのコピーを保持しているだけ(夏場に高温だろうが雷がなりまくろうがデータ参照できるように電源を入れっぱなしにするのが目的)なので、放置していました。
今回の方法であれば、ArmbianやOpenMediaVaultなどのBugFixも取り込めますし、ルートファイルシステムもHDD上にあるのでMicroSDの破損の心配もありません。