ここしばらく、IPv6対応でいまできることってなに、ということでいろいろやってみましたが、その中で疑問に思うことがあるので記載します。
IPv6のアドレスの長さは128bitなので、IPv4の32bitに比べると2^96倍もあって事実上無数にある、という説明がされています。しかし、IPv6のアドレス構造を見てみると、「前半がプレフィックス・ネットワークID」「後半がインタフェースID」となっています。また、サブネットマスクは/48か/64のどちらかであまり意識することはない、とされています(Wikipediaによる)。また、同じくWikipediaによると、同じくOCNによるIPv6サービスでは月額300円で/64のネットワークブロックを2つ取得できる、とされています。
つまり、/48とか/64のアドレスが従来のIPv4グローバルアドレスに相当し、従来NATなどのプライベートIPアドレスで対応していた部分に/64の下のアドレスを企業内や家庭内で割り振る、ということになるのだと思います。そう考えると、「IPv4の32bitに比べると2^96倍」というのは誇張で、2^32倍くらいに考えるのが妥当なんだと思います。
さらに、IPv6アドレスの割り当て状況をみると、IANAは地域のRIRに/12単位でIPv6アドレスの割り当てを進めていくように見えます。従来IPv4ではこれが/8の単位だったのでしょう。ここで気づくのは、一度に割り当てる単位で数えるとIPv6とIPv4は16倍の違いしかない、ということです。まあ、それでも/12のIPv6アドレスブロックを/48の単位でエンドユーザーに割り当てていくと割り当ての際に/36の自由度があって、IPv4全体のアドレス空間以上を一度にRIRに割り当てることになるのだから、あまり心配はないのかもしれません。ただ、今後、それこそ家電製品どころか照明器具、壁のスイッチ、水道の蛇口、窓ガラス、扉、錠前・・・などに組み込まれたワンチップマイコンのようなものまでもIPv6を喋るようになるかもしれない、ということを考えると、無闇にアドレスブロックを浪費しても大丈夫なのだろうか、という気もします。
無駄な心配でしょうかね??
≪おまけ≫
Arduinoというか、フィジカルコンピューティングの世界でIPv6っていろいろ面白い使い方があるような気がするのだけど、どうでしょうかね。実験だけならIPv4でも十分だから別にIPv6でなくたっていいのだけど。