これまでの製作で電池動作をさせる場合には006Pタイプの電池とLDOレギュレータの組み合わせでやってきましたが、006PタイプのNiMH電池は単価が1個800円程度もします。しかも、容量が200mAh程度しかなく、(電圧低下を無視すると)8.4V×0.2Ah=1.68Wh程度の電力量しかありません。さらにLDOで熱に変えてしまいますから、実質的には1.68Wh×5V/8.4V=1.0Wh程度です。
そこで、100円ショップでも入手可能な単三のNiMH電池と安価なスイッチングレギュレータの組み合わせでいけないかということで、HOLTEKの三端子スイッチングレギュレータの実験をしてみました。理屈の上では、1.2Vから5Vを85%(Typ)で生成しますので、100円ショップでも入手可能な1300mAhのNiMH電池でも、1.2V×1300mAh×85%=1.3Wh程度ということで同程度の駆動時間は得られますし、1900mAhのeneloopを使えば1.2V×1900mAh×85%=1.9Whと倍近い駆動時間が得られるはずです。
で、まずはブレッドボードに組んでみました。回路はデータシートほぼそのまま・・・ですが、タンタルコンデンサではなく電解コンデンサと0.1uFの積層セラミックコンデンサの組み合わせです。インダクタは手持ちの100uAのチョークコイルです。出力に470Ωの抵抗を介して白色LEDを接続しています。470Ωの両端の電圧を測ると810mVですから、負荷は1.7mA程度です。この時の出力電圧は5.03Vでした。
負荷として470Ωを1本並列に足すと4.74V、2本で4.50V、3本で4.11Vとなりました。大雑把には1本で10mA程度の負荷になりますから、10mA程度で電圧が下がり始めることになります。負荷に470Ωを3本追加した状態で電池を充電済みのeneloopに変えてみたのですが、4.19Vにしかなりませんでした。
次に電源のeneloopを2本直列にしてみますと、470Ω負荷0本(LEDのみ)で5.07V、1本で5.10V、2本で5.10V、3本で4.82Vということで、20mAを越えると電圧が下がり始めます。
今回はブレッドボードに組んでいますし、コンデンサも電解+積層セラミックの組み合わせですのでHT7750Aの本来の性能が出ていない可能性もありますが、あまり余裕はないようです。三端子で構成が簡単なのは魅力ですが、よく注意して使わないと思わぬ落とし穴がありそうです。