以前購入した中華Androidタブレットがあるのですがが、(WiFiタブレット全般に)GPSが付いていません。そこで、外付けのGPSユニットを作ってみました。
外付けGPSについて調べてみると、PL2303をUSB-UARTコンバータとして使用しているUSB接続GPS機器をAndroidで使うための「You Are Here GPS」というソフトがあることがわかりました。そこから察するにNMEA-0193フォーマットでUARTにデータを吐くGPSモジュールをPL-2303に接続すれば良さそうです。ただ、You Are Here GPSを動かしてみたところ、シリアルの速度は4800bpsか9600bpsしか選べません。ここはGPSモジュール選定の際の要注意事項です。
実際の回路はGPSはaitendoでGM-242iというモジュールとGPSHMX-039というパッシブアンテナ、USB-TTL2303-5PというUSB-UART変換モジュールを購入して、小さな基板上に5VからGPSの電源の3.3Vを生成する三端子レギュレータとバックアップ用のコイン形リチウム電池を載せました。
まずは、LinuxMintをインストールしたPCに接続してGM-242iのデフォルトの通信速度である38400bps、ビット長8、パリティなし、ストップビット1ビットで接続します。ソフトはmoserialを使用しました。
$GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,99.99,99.99,99.99*30 $GPGSV,1,1,00*79 $GPGLL,,,,,,V,N*64 $GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53 $GPVTG,,,,,,,,,N*30 $GPGGA,,,,,,0,00,99.99,,,,,,*48 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,99.99,99.99,99.99*30 $GPGSV,1,1,00*79 $GPGLL,,,,,,V,N*64 $GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53 $GPVTG,,,,,,,,,N*30 $GPGGA,,,,,,0,00,99.99,,,,,,*48 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,99.99,99.99,99.99*30 $GPGSV,1,1,00*79 $GPGLL,,,,,,V,N*64 $GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53 $GPVTG,,,,,,,,,N*30 $GPGGA,,,,,,0,00,99.99,,,,,,*48 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,99.99,99.99,99.99*30 $GPGSV,1,1,00*79 $GPGLL,,,,,,V,N*64 $GPRMC,,V,,,,,,,,,,N*53 $GPVTG,,,,,,,,,N*30 $GPGGA,,,,,,0,00,99.99,,,,,,*48 $GPGSA,A,1,,,,,,,,,,,,,99.99,99.99,99.99*30
こんな感じのGPSメッセージが流れているのが確認できますので、以下のコマンドをASCIIで送信して速度を9600bpsに変更します。
$PUBX,41,1,0007,0003,9600,0*10
変更したら、moserial側も一旦切断して速度を9600bpsに変更して再接続します。引き続きHEXで以下のUBXコマンドを送って、コイン形リチウム電池でバックアップされるBBRAM領域に設定を保存します。
B56206090D0000000000FFFF0000000000001731BF
B5 62 06 09でCFG-CFGコマンド(コンフィギュレーションのクリア、保存、読み出し)を指定します。続く「0D 00」がリトルエンディアンなので0x000Dで長さ13を示しています。続く「00 00 00 00」=0x00000000でクリアするものはなし、「FF FF 00 00」=0x0000FFFFですべて保存、「00 00 00 00」=0x00000000でロードするものはなし、次の17で保存できるデバイスすべてを指定しています。
参考まで、UBXコマンドのチェックサムを付加・算出するPythonスクリプトを置いておきます。
#!/usr/bin/env python # coding: utf-8 # CLS ID LENGTH clearMask saveMask loadMask deviceMask CMDSAVE = [0x06,0x09,0x0D,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0xFF,0xFF,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x00,0x17] cmd = CMDSAVE CK_A = 0 CK_B = 0 STR = "B562" # HEADER for x in cmd: CK_A = CK_A + x CK_B = CK_B + CK_A STR = STR + format(x,'02X') STR = STR + format(CK_A & 0xff,'02X') + format(CK_B & 0xff,'02X') print STR
これで電源をOFFしても電源投入時点から9600bpsで動作します。この状態で中華タブレットに接続し、 You Are Here GPSを動作させます。設定で通信速度を9600bpsにセットして「connect」を押すとNMEA-0193メッセージが1秒周期で表示されます。
カタログスペックでは衛星捕捉-142dBm、トラッキング-159dBmの感度があることになっていますが、残念ながら鉄筋コンクリートの室内では測位できないようです(スマートフォンでは何とか衛星捕捉から可能なようなのですが・・・)。近いうちに外で測位させてみたいと思います。